抄録
近年問題となっているヒートアイランド現象を緩和する為の対策として,高保水力,揚水力をもった多孔質セラミックス材料の蒸散冷却効果が注目されている.多孔質材料を作製する上で,有機物からなる造孔材を用いることは広く行われているが,本研究では基質としてgeopolymerを,造孔材としてポリ乳酸短繊維を用いた.これらを混合し,押し出し成形によって繊維の配向を制御し,固化した複合体から熱処理によりポリ乳酸を除去することで,向きの揃った円筒状の細孔を材料中に導入し,多孔質材料を得た.作製した多孔質材料の持つ揚水能力や蒸散冷却能力について評価し,導入する造孔材の径や添加量との関係を明らかにした.