抄録
酸化スズや酸化亜鉛を始めとする半導体酸化物は、雰囲気に応じて電気伝導度が変化することからガスセンサ材料に利用されてきた。本研究では、動作環境下にあるこれらの材料状態の変化を光学・電気特性評価を用いて調査した。それに伴い、光学的に透明な多結晶薄膜の作製を行った。その結果、酸化スズでは還元雰囲気に対しキャリア濃度と移動度の両方が変化するのに対し、酸化亜鉛ではキャリア濃度がほとんど変化せずに移動度が大きく変化する現象が見られた。このことは、酸化亜鉛のガスに対する応答は粒界特性の変化が支配的であることを示唆していた。