抄録
リチウム二次電池の安全性・信頼性向上の観点から、全固体化に向けてリチウムイオン伝導性固体電解質の研究が行われている。LiSi2N3は大気中で安定な化合物であり、候補材料の一つであるが、実用化には、イオン伝導率のさらなる向上が必要である。本研究では、イオン伝導率を向上させるため、LiSi2N3のイオン伝導率に及ぼすCa添加の影響を調査した。Ca添加によりイオン伝導の活性化エネルギーは低下し、室温でのイオン伝導率が向上した。緻密なLi1-2xCaxSi2N3 (x=0.075) セラミックスの室温でのイオン伝導率は1.6×10-5Sm-1を達成した。