抄録
高いエネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池は、大容量蓄電システムへの応用が期待され、その高出力化やさらなる大容量化が精力的に研究されている。新しい材料やプロセスの開発を行う既存の研究とは異なり、本研究では、光エネルギーの利用により既知のリチウムイオン電池電極材料の高性能化を試みた。電極のモデル材料として、特異的な構造から安定した光電荷分離状態が得られることが知られているチタン酸ナノシートを用いた。チタン酸ナノシートの積層によって得られた薄膜は暗室条件下では理論容量の17%の容量を示したが、紫外光照射下においては理論容量の31%の容量を示した。紫外光照射下でチタン酸のリチウム電池電極特性が向上することが明らかになった。