抄録
フォトニック結晶は誘電体の周期構造により電磁波を回折する人工格子である。精密制御の光造形法を用いてマイクロ格子を形成し、テラヘルツ領域の電磁波を強く集中させる空洞共振器の作製に成功した。空洞内導入したガラスセルへマイクロカテーテルを通して様々な水溶液を導入し、テラヘルツスペクトルを解析することで微量な成分検知を可能にするデバイスの開発を進めた。水環境中における汚染物質の高速分析に期待が持てる結果が得られている。フォトニック結晶の作製プロセスならびにテラヘルツ波デバイスの設計メソッドについて詳細を述べる。