論文ID: 23-08_OA
多くの容積型圧縮機において,潤滑油による微小隙間のシールや潤滑は重要であるが,微小隙間における油膜の存在を確認するのは容易でなく,その不確実性により給油機構の効率的な設計を阻害していた.本研究では,気液二相状態を検出可能な光ファイバプローブを微小隙間に設けた空隙に設置し,微小隙間内の気液二相状態を計測する手法の開発を行った.本手法では,微小隙間内の流体がプローブを設置した空隙に流入するかが重要となる.そこで,空隙内への気体および液体の流入の特性について気液二相流解析と可視化実験によって調べ,ウェーバー数が概ね1 を下回ると隙間に流入した流体が空隙を満たすことを示した.さらに,プローブ計測を模擬した二相流解析を行い,10 µm の隙間における相状態をプローブで検出できる見通しを得た.