抄録
マトリックス相成分および第二相成分を均一に含有する非晶質の前駆体粉末を調製し、その焼結進行過程において複合組織を発達させることにより、Ce-TZP/BaAl12O19コンポジットの作製を試みた。非晶質の前駆体粉末は、均一沈殿法により調製した。調製した前駆体粉末を1400℃、6hの条件で焼結したところ、板状のヘキサアルミネート結晶がジルコニアマトリックス中に均一に分散し、かつ十分に緻密なコンポジットを作製することができた。コンポジットの曲げ強度を測定したところ、第二相重量比の増加に伴い向上していた。これは、第二相重量比が大きいほどマトリックス相が微細化し、欠陥寸法が小径化したためであると考えられる。