抄録
BaTiO3はセラミックコンデンサ材料として用いられているが、近年、多結晶BaTiO3ナノ粒子を液晶に添加し、液晶ディスプレイの駆動電圧の低電圧化と高速応答化が試みられている。しかしながら、ゾル-ゲル法で合成したBaTiO3ナノ粒子は、実用的な液晶に安定的に分散することが困難であるという問題点があった。本研究では、BaTiO3ナノ粒子をシランカップリング剤により疎水化処理することで、液晶中に均一分散させることを試みた。その際、疎水化処理したBaTiO3ナノ粒子の添加量を0.01wt%~0.1wt%と変化させて評価用液晶セルを作製し、電気光学特性を評価した。得られた結果から低電圧駆動と高速応答に対するメカニズムの考察を行った。