抄録
近年、熟練技能者の高齢化や若年層の製造業離れなどいくつかの理由が重なり、熟練作業者のノウハウや技能を若年層に維持、伝承していくことが困難な状況になりつつある1)。このため、熟練作業者の持つ技能を形式化して、できるだけ容易に維持、継承する手段の開発が求められている。
しかしながら、熟練技能者の思考プロセスは、作業者の過去の経験や知識に基づいて主観的に判断されるものであり、形式知化しにくい。このため、当該技能者に所有されるのが一般的にいってほとんどである。
本発表では、階層分析法 (Analytic Hierarchy Process: AHP) を用いて、プラズマ溶射による耐摩耗材料Al2O3の皮膜品質に関わる項目と溶射条件間の影響度合いを分析して、数値化・定量化することにより、熟練作業者の経験や考え方の維持および継承に利用できるソフトウェア開発を試みたことについて述べる。