抄録
反応制御や生成物評価が容易なカチオン挿入反応と比較して、酸化物に対する低温アニオン挿入反応は一般的に難しい。そのため報告例は少ないが、原子価制御、および物性制御の観点からは非常に興味深いと言える。本研究では結晶構造中に空隙を有する(Bi,Pb)2PtO4に注目し、空隙位置へのトポタクティックなF–イオン挿入によってPtの原子価制御に成功した。母体およびF–イオン挿入体の精密構造解析の結果、Ptの異常な価数および配位が明らかになった。磁性や電気伝導性といった物性測定結果についても当日報告する。