抄録
強誘電体デバイスでは、チタン酸ジルコン酸鉛[Pb(Zr,Ti)O3(PZT)]が独占的
に使用されている。環境問題の観点から、強誘電体の非鉛化が求められているが、PZTに替わる非鉛系材料の開発には至っていない。強誘電体の特性は、格子欠陥により大きく影響される。本研究では、チタン酸バリウム[BaTiO3(BT)]における欠陥制御指針の構築を目的とする。BT結晶およびMnドープBT結晶を育成し、各種物性を評価した。Mnドープにより、残留分極値Prは2から23 microC/cm2に大きく向上し た。電界誘起歪み特性の評価により得られた圧電歪み定数d33は、Mnのドープにより劇的に向上した(BT:86 pm/V, 0.5%Mn:649 pm/V)。MnドープしたBT結晶は非常に優れた分極特性と圧電特性を示すことが明らかとなった。