抄録
セラミックス製品の作製において焼結現象の理解は非常に重要である。焼結は原料粒子の収縮と粒界形成の過程であるが、多数の粒子が関係する焼結現象も本質は2粒子間の粒子界面で起こるミクロな相互運動の集合と考えることができる。そこで焼結力を定義することにより、このような2粒子間のミクロな相互運動の運動方程式を理論式に構築し、さらにシミュレーションにより収縮挙動を予測することができる。一方でこうした理論的な結果の信頼性を保証するには、実験的に現実で起こる現象を観測する必要がある。そこで本研究では、焼結理論と現実に起こる現象の橋渡しのために、ミクロ領域での粒界の相互運動を直接計測するためのミクロ試験片を開発した。