抄録
円盤状の金属/セラミックス傾斜機能材料の焼成では,混合粉末層の焼結収縮速度の変動により,セラミックス表面にしばしばクラックが生じる.冷却過程で生じる熱応力によるクラックと異なり,焼結中のクラックを抑制す
るには混合粉末層の焼結特性の調整が必要となる.本研究ではモデル材料としてニッケル/アルミナ系を取り上げ,粉末の混合均一度,粒子サイズを調整することで,焼結クラックの抑制を試みた.一方,調整した混合粉末の
焼結特性を計測し,これを考慮した解析により,内部応力を計算した.これらの実験結果と計算結果を比較し,応力・ひずみ解析による焼結欠陥予測の可能性について検討した.