抄録
ナノ粒子を用いた医療(ナノ医療)は低侵襲治療を可能にする技術として注目されている。ナノ医療の実現を妨げている大きな課題の一つに、粒子の患部への送達率の低さがある。これは粒子が患部に到達するまでにマクロファージにより貪食されてしまうことが原因である。貪食を回避する有効な方法としてポリエチレングリコールによる表面修飾があるが、この方法も完全ではなく、投与した量の大半が患部に到達しないといわれている。申請者は最近、粒子の形状が体内動態に大きく影響を与えることを発見した。特に、プレート状粒子が自己組織化した花状の酸化鉄粒子は貪食回避能を有し、マクロファージが多い肝臓や脾臓に蓄積されないことを明らかにした。