抄録
我々はイノシトールリン酸のキレート作用を利用して硬化する「キレート硬化型骨修復セメント」の開発を進めている。これまでに水酸アパタイト(HAp)やリン酸三カルシウム(TCP)などを原料として、生体内安定性および生体吸収性のセメントの開発に成功している。本研究では、骨伝導性の向上を目指し、骨に近い組成をもつ骨ミネラル含有アパタイト(Bone HAp)を合成し、それをセメントの出発原料として用いて、同様にセメント試験片を作製した。また、コントロールには骨ミネラルを含まない純粋なHAp試験片を用いた。これらの試験片をウサギの脛骨にインプラントし、4週および24週間後、周囲の骨組織とともに取り出し、非脱灰研磨標本および凍結薄切切片を作成し、組織学的評価を行なった。