抄録
α-Al2O3は化学的および物理的に非常に優れた物質であるが、合成には1250 ℃
以上の高温が必要となるという問題点がある。本研究では、アルコキシド法に
より前駆体ゾルの分子設計を行うことにより、簡便な手法によるα-Al2O3粉末の
低温結晶化を目指した。
アルミナ前駆体ゾルはAl(sec-OC4H9)3と無水エタノールを混合し、さらに
無水エタノールに少量のα-Al2O3シード粒子を分散させたものを加え、これに
塩酸および水を加え、50℃、24hの熟成を行うことにより得られた。得られた
アルミナ前駆体を500℃で焼成することにより、極めて結晶性の高いα-Al2O3
粉末を得ることに成功した。