日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第24回秋季シンポジウム
セッションID: 1F18
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新規層状コバルト酸フッ化物
*辻本 吉廣李 軍山浦 一成松下 能孝勝矢 良雄田中 雅彦白子 雄一赤荻 正樹室町 英治
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抄録
近年,混合アニオン系遷移金属酸化物が固体化学・固体物理双方から注目を集めている.異なる価数,イオン半径,結合性をもつ複数のアニオンを一つの構造で安定化させることによって,単一のアニオンしか持たない物質では現れない,新規な物理・化学現象の誘起が期待される.しかしながら,合成における雰囲気制御や出発物質の化学的安定性といった様々な理由によって,異なるアニオンを含む複合遷移金属物質を合成することは容易ではない. 現在,この問題を克服できる手法として低温合成と高圧合成法が知られている.酸フッ化物に関してはN,Hなどの他のアニオンに比べると,比較的多くの例が知られているが,それでもなお,アニオンの複合化に適合する(遷移)金属の種類は限られている. 本研究では,層状ペロフスカイト群に属する初めてのコバルト酸フッ化物の合成に成功したので報告する.興味深いことに,コバルトのピラミッド配位とアニオンの無秩序構造が共存しており,これまでの層状酸ハロゲン化物とは一線を画す新しい構造的特徴を有する.
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©  日本セラミックス協会 2011
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