抄録
自然界において、生物は細胞の内外に酸化鉄を形成している。磁性細菌が細胞内に作るマグネタイト(Fe3O4)や、鉄酸化細菌が細胞外に作る酸化鉄が存在する。これらの酸化鉄は、水溶液中において生体高分子の相互作用によって価数・結晶相・形態が制御されている。本研究では、鉄酸化細菌にならい、キレート剤や高分子などの制御分子を用いることにより、90 ℃以下の水溶液プロセスにおいて、酸化鉄の結晶相と形態の制御を行った。制御分子を添加していない場合には、Fe3O4ナノ粒子のみが形成した。一方で、水溶液中のpH, キレート剤濃度, 反応温度を変化させることで、価数と結晶相の制御が可能となった。また、高分子を添加することで、形態やサイズの制御を行った。