抄録
熱電材料としても注目される、ナノメートルオーダーの面間隔のシア構造を内包するTiO2-xの熱伝導機構の解析を摂動分子動力学法により行った。得られた熱伝導度は大きな方位依存性を示し、シア面垂直方向についてはシア面間隔の減少と共に熱伝導度減少が見られたが、面間隔が数Åの範囲では、シア面平行方向の熱伝導度の面間隔依存性は非常に小さなものでありほぼ一定であった。また直感に反して、シア面に垂直方向の熱伝導度がシア面平行方向の熱伝導度よりも低いことがわかった。これはシア面に沿った原子の配位環境の乱れに起因するものであると考えられる。