抄録
近年の環境問題の解決策として固体酸化物型燃料電池(SOFC)が注目され、その実用化には高い酸化物イオン伝導を示す固体電解質が必要とされています。ブラウンミラライト構造(一般式A2B2O5)を持つBa2In2O5は1203K付近で相転移を起こす事が知られています。本研究では、Ba2In2O5のInの位置であるBサイトを2価と4価の陽イオンで平均して3価になるように二元固溶したA2(M2+,M’4+)O5(A2+=Ba, Sr, Ca; M2+=Zn, Mg, Be, Cd; M’4+=Zr, Ce, Ti, Hf)系化合物の新規合成を試みた。得られた生成物に対して、ペロブスカイト構造の安定性の指標である『トレランスファクター』を適用したところ、ブラウンミラライトの単一相領域を示す指標としても有効であることが判明した。新規合成に成功したBa2(Zn,Zr)2O5にさらに3価の陽イオンを固溶しBa2M2-x(ZnZr)xO5系(M=Sc3+, In3+, Yb3+, Y3+)試料の合成を試み、電気的特性を調査した。