抄録
一般的に第一原理計算による新規物質の探索は、熱力学的に最も安定な構造の探索に基づいている。これは、セラミックスの合成に広く用いられる高温での反応において熱拡散及び反応速度は十分に高いので、熱力学的に最も安定な相が合成されるという概念に基づいている。しかし、比較的に低温の反応(約600 ℃以下)においては熱力学的な平衡条件に達するとは限らないので、熱力学的に最も安定な相の探索が常に役に立つとは限らない。さらに、計算手法による合成経路の探索は一般的に困難である。そこで、本研究ではあらかじめ交換反応を仮定し、その交換反応エネルギーを求めることで、新規デラフォサイト型窒化物の合成経路の探索を行ない、実際にその合成を行った。