抄録
Bi2PdO4は,平面四配位したPd2+イオンとBi3+のlone pairに由来した空隙を結晶構造内に有する。我々はこの空隙に着目しアニオンの挿入を試みた結果、Bi2PdO4F0.5の合成に成功した。磁化測定の結果、非磁性体であるBi2PdO4とは異なり、Bi2PdO4F0.5はキュリーワイス的な振る舞いをすることが分かった。この磁性はフッ化物イオンの挿入により、Pdイオンが酸化されて出現したと考えられる。酸化物における高酸化数のPdイオンは通常、非磁性のPd2+, Pd4+に電荷不均化を起こして存在する傾向が強いが、本物質では磁性を有するPd3+イオンが存在していることが示唆される。