抄録
一般的に黒鉛粉末を一軸加圧焼結することで、黒鉛板状粒は加圧面に対して平行に配列することが知られている。本研究では黒鉛粉末に5at%のB粉末を混合し、それらの粉末を機械的粉砕(MG)処理することで乱層構造を持つ炭素(t-C)粉末を作成し、パルス通電焼結 (SPS) 法にて焼結を試みた。2200℃の保持温度では、55MPa以上の印加圧力を用いた時に黒鉛化が引き起こった。70MPaの印加圧力では、保持温度の増加とともに黒鉛化が進行し、2200℃で完全な黒鉛構造となった。また黒鉛構造への規則化にともない、板状結晶粒の配向が加圧面に対して平行から垂直に変化していることが示唆された。