抄録
焼結の本質である2粒子間相互作用を調べるため、本研究では集束イオンビーム(FIB)で加工した微細試験片にマーカーを付け結晶粒運動を精密に直接計測する手法を開発した。試料には金箔リボンを用いた。具体的には、微細加工した試験片を真空中、750℃で熱処理を繰り返し、結晶粒の回転・収縮量の時間変化を測定した。その結果、焼結における収縮と結晶粒の回転は粒界の方位関係によって著しい影響を受けることが直接測定できた。?3粒界の場合、測定誤差の範囲でほとんど収縮も回転も生じなかった。一般の粒界の場合、熱処理時間の増加とともに粒子間距離は減少し、また、粒子の回転が観察された。