抄録
水熱ホットプレス用オートクレーブ内部にリン酸水素カルシウム二水和物と水酸化カルシウムをCa/P=1.67の割合で混合した出発原料とチタン板(直径20mm、厚さ1.5mm)を配置し、温度150℃、圧力40MPa、処理時間2hの条件で水熱ホットプレス処理することによって、HAセラミックスとTiを接合させた。得られたHA/Ti接合体について、デュアルビーム収束イオンビーム加工装置により、HA/Ti界面鉛直方向に切り出した後、グリッドに貼り付け薄片化し、透過型電子顕微鏡により、HA/Ti界面近傍の構造観察を行った。HAとTiの間に周期構造が崩れた数nm程度のアモルファス層が存在していることがわかった。このアモルファス層の存在が、HAセラミックスとTi金属の連続体形成に大きく寄与していることが明らかとなった。