抄録
化合物中で鉄やマンガンなどの遷移金属の遷移金属元素の酸化還元(Redox)反応を調べるためには、遷移金属元素の価数や配位状態などの化学状態を理解する必要がある。XAFS分光法は、遷移金属元素の酸化還元状態の評価に適した分析法である。例えば、鉄のK吸収端の~15-20eV低エネルギー側のXANESスペクトルのプレエッジピークは、1s→3d遷移と1s→4p遷移に帰属するるので、XANESスペクトルを調べる事により遷移金属元素の化学状態を評価する事が出来る。SPring-8のBL24XU(兵庫県IDビームライン)で高分解能XANES分光システムの構築と得られたデーターを第1原理バンド計算で解析をする評価技術の開発を行っている。本講演では、構築した放射光高分解能XANESによる化学状態評価技術の結果を報告する