抄録
セラミックスの破壊に伴うフォトンエミッション(PE)の発生メカニズムは未だに不明な点が多いが、発光源の1つとして色中心が考えられている。それに加えて、雰囲気ガスがPEに影響を及ぼすことも指摘されており、実際、著者らは雰囲気ガスの放電発光が、PE発光源の1つであることを報告した(1)。しかしながら、雰囲気ガスがPEに及ぼす他の影響、例えば、破面への吸着や、ガス放電に伴って生じる電子やイオンの破面への衝撃等については、詳細な検討を行っていない。そこで本研究では、既に色中心が知られており、著者らが系統的にPEの研究を行ってきたシリカガラスを試料として、そのPEの雰囲気ガス圧力依存性の計測により、雰囲気ガスがPEに与える影響を明らかにすることを目的とした。