抄録
多結晶セラミックスの結晶方向を揃えることは種々の特性向上に有効である。磁場中成形法は、弱磁性物質の結晶配向を揃える有効な方法である。このプロセスでは、粒子をスラリーに分散させ、磁場中で乾燥させることで配向成形体を得て、さらに焼結させることで、緻密化と粒成長を経て、配向構造を発達させる。従って、焼結体での高い配向度を達成するためには、原料粒子径、スラリー分散性、磁束密度が、成形体だけでなく焼結体の配向構造におよぼす影響を検討する必要がある。そこで本研究では、アルミナを用いて、焼結体の配向構造を発達させるための粒径、スラリー分散条件、磁束密度等の作製条件を明らかにすることを目的とした。