抄録
モリブデン酸ガドリニウムGd2(MoO4)3はα-, β-, β’-等の構造多系を有する結晶で、種々の希土類イオンを置換することが可能である。このうちβ’相は強誘電・強弾性特性を有する光学結晶として知られている。当研究室ではGd2O3-MoO3-B2O3系のバルクガラスの結晶化によりβ’相の単相形成に成功している。また希土類サイトをSm3+で部分置換したガラスへ赤外レーザー照射を施すことで位置選択的結晶パターンを形成し、特異な結晶成長を示すことが明らかとなっている。これらの結果はいずれもバルク状態のガラスにおける結晶化挙動であるが、光導波路・光スイッチ等への応用を考慮すると薄膜における位置選択的な結晶化パターニングが強く望まれる。これまで、モリブデン酸ガドリニウムの薄膜形成とβ’-Gd2(MoO4)3結晶の生成に関する研究例は報告されていない。本研究は、ゾルゲル法を用いGd2O3-MoO3系薄膜を作製し、その結晶化挙動を明らかにすることを目的とする。