抄録
昨今の世界的な環境問題への関心の高まりから,セラミックスの製造においても環境負荷低減のための技術開発が強く求められている。シート成形においては,有機溶媒系から水系への転換が強く望まれている。本研究では,水系スラリーを用いたシート成形技術の開発を目指し,各種有機成形助剤がアルミナスラリーの流動特性に与える影響について調べた。バインダー添加スラリーでは,バインダー無添加スラリーのゼータ電位測定から推測される分散剤の適正添加量よりも多くの分散剤を添加する必要があった。流動特性を最適化したスラリーを用いてシート成形を行った結果,クラックのない良好なグリーンシート及び緻密な焼成体が得られた。