抄録
天然ゼオライト(秋田県産クリノプチロライト)微粉末に対する結合剤として性状の異なる2種類のシリカゾルを調製し,それらがゼオライトと共存した際の電気泳動堆積(EPD)挙動,ならびに結合剤としての作用を比較した。EPDにおいて,オルトケイ酸エチル(TEOS)を0.1M水酸化ナトリウム水溶液(HY)ならびに アンモニア水で加水分解して作製したシリカゾル(ST)を,各々サスペンションに添加した。ゼオライトとともにEPDによって堆積した量はHYシリカゾルよりSTシリカゾルの方が多くなった。堆積量が少なかった反面,HYシリカゾルの方が堆積膜の剥離を抑制する効果が大きく,結合剤としての効果は大きいものと考えられた。