日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2011年年会講演予稿集
セッションID: 3B09
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スピネル粒子を低減したZnOバリスタのもれ電流安定性におけるNi、Cr 添加効果
*加東 智明河又 巌石辺 信治高田 良雄
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抄録
 ZnOバリスタ素子の電気特性を改善し、ZnOバリスタを搭載した避雷器の保護性能を改善する一手法として、焼結体に含まれる絶縁粒子であるスピネル粒子の生成量を減らして電流パスを広げる手法が有効であると考えている。Sb2O3添加量を減らすことによってスピネル粒子の生成量は減少し、同時にバリスタ電圧(V1mA/mm)も低下するため、バリスタ電圧低下防止のためにはSb2O3添加量(MS)とBi2O3添加量(MB)や焼成温度の関係を調べ、バリスタ電圧の低下を抑えた配合、焼成温度を見出すことが肝要である。そこで、Sb2O3 とBi2O3添加量のモル比(MS /MB)と焼結温度に対する収縮挙動、かさ密度、バリスタ電圧の変化を調べた。それらの結果を踏まえ、遷移添加元素であるNi、CrがZnOバリスタ素子のもれ電流の安定性にどのような影響を与えるかを調べた。遷移元素としてNi, Cr, Mn, Co全てを加えたものを標準試料(Sample A)とし、Niを無添加としたもの(Sample B)、Crを無添加としたもの(Sample C)を作製した。遷移元素は全て酸化物で添加した。実験の結果、Niを無添加とすると、もれ電流は増加傾向を示すことが判明した。Ni添加の有無と素子(焼成体)の生成相の関係をXRDで分析したが、Bi2O3結晶形に顕著な違いは見受けられなかったため、EPMA分析により遷移元素の分布を比較した。その結果、Niを無添加(Sample B)とすると、スピネル粒子からわずかではあるがCoが検出された。Coは通常、焼結体全体に分散して存在することが知られている。Niを無添加とすることにより、Coが選択的にスピネル粒子に取り込まれたことが、もれ電流が増加傾向を示したことと関連すると考えられる。
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©  日本セラミックス協会 2011
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