日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2011年年会講演予稿集
セッションID: 3K06
会議情報

Mo添加ジルコニウム炭硫化物の燃焼合成とその性質
*友重 竜一板谷 俊哉及川 勝成石田 清仁
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本研究では、遷移金属であるジルコニウムの炭硫化物を基本組成とするもの(Zr4C2S2)にMoを添加して燃焼合成を行い、その微細組織および硬度を調べた。Mo無添加の組成では、その激しい反応のために試料は飛散し回収困難であったが、高融点のMoを添加することで試料の回収率は向上した。XRDの結果から各組成において目的のZr4C2S2相が生成したが、これと同時に副生成物として硬質のMo2C相、ZrC相も生成した。副生成物を最も抑えた組成はMo添加割合x=0.2のときであった。一方、Moの添加量の増大に伴い硬度値が上昇した。これをXRDの結果と勘案すると、炭化物相形成による硬化と共に固溶硬化の可能性を示唆している。試料のSEM観察結果からは、Mo無添加試料では板状結晶が密着していたのに対して、Moを加えたZr:Mo:C:S= 1.6:0.4:1:1の組成をもつものでは層間剥離が生じやすい二枚板構造が観察された。また、同試料のTEM観察からはMoS2と類似した層状構造が観察された。このことから同試料は固体潤滑材としての利用が期待できる。
著者関連情報
©  日本セラミックス協会 2011
前の記事 次の記事
feedback
Top