抄録
地球温暖化防止のため化石燃料使用時に排出されるCO2を効率よく分離・回収する技術の確立が強く望まれている。中でもCO2を化学反応により気相から固相へと回収する方法が有望であり、CO2吸収材料の候補物質としてBa2Fe2O5が検討されている。しかしながら、Ba2Fe2O5がCO2と可逆的に反応し分解する化合物がBaFe2O4とBaCO3であるにもかかわらず、本物質はFe2O3とBaCO3からも合成可能である。従って、反応に伴う重量変化や結晶構造解析を定量的に行うことがこの物質のCO2吸収能解明に必要不可欠である。この研究では、Fe2O3とBaCO3の混合粉からBa2Fe2O5の合成及びBa2Fe2O5の可逆的反応完了までの重量変化の定量測定を試みた。