抄録
層状複水酸化物(LDH)は、層間に陰イオンを有する陰イオン性粘土として知られている。層間の陰イオンは、他の陰イオンと交換することが可能であり、一般に電荷密度の大きい陰イオンが層間に取り込まれやすい。種々の陰イオンの中でも、炭酸イオンはLDHの層間に最も取り込まれやすく、安定であることが知られている。LDHの合成法の一つであるイオン交換法は、溶媒に水を用い、イオン交換が容易な硝酸型や塩化物型LDHを用いて行なわれる。本研究では、エタノールを溶媒に用いた場合に、炭酸型LDHの炭酸イオンと金属塩化物イオンとの交換が起こることを見いだしたので報告する。