抄録
近年CO2増加による地球温暖化や化石燃料枯渇といった地球規模のエネルギー・環境問題が取り沙汰されている。しかし、我々が生活していく上で電気エネルギーは欠かすことのできない物となっており、従来の発電方法に代わる次世代のクリーンな発電システムの確立が必要とされている。その一つの候補として固体酸化物形燃料電池(SOFC)に注目が集まっている。本研究では、600°C程度の中温領域で作動可能なSOFC電解質として期待の集まるオキシアパタイト型ランタンシリケート(La9.333+xSi6O26+1.5x, LSO)に着目し、この材料の特に酸素過剰領域(x > ca. 0.3)において種々の遷移金属を微量に添加した際の構造と物性を調べた。