抄録
CNT/Al2O3-TiC複合材の機械的特性、電気伝導性および耐酸化性に及ぼすCNT添加量の影響を調べた。CNT添加量が2vol%以上の場合、曲げ強度およびヤング率は改善されたが、CNT添加量が3vol%以上になると耐酸化性が劣化した。TiC粒子がAl2O3マトリックス内でパーコレートしているAl2O3-26vol%TiC試料との比較より、TiC粒子がパーコレートしていないAl2O3-12vol%TiC-3vol%CNT試料では、CNT添加により機械的強度がAl2O3-26vol%TiC試料のそれとほぼ同じになると同時に、1200℃酸化後の酸化変質層が薄くなり、耐酸化性が向上することが判った。