抄録
Mn+1AXnで表されるセラミック材料はMAX相セラミックスと呼ばれ、nが1、2または3、Mが前周期遷移金属、AがAグループ元素、XがC又はNである。その結晶構造はMn+1Xn相とA原子相が交互に積層した構造をしており、M-X間に共有結合、M-A間に金属結合を持つ。このため、軽量、高弾性率、高温高強度、高耐熱性など一般的なセラミック材料の特性に加えて、快切削性、耐熱衝撃性など金属的特性を持つなど特異な性質を兼ね備えている。なかでも、Ti3AlC2は耐酸化性に優れることから高温構造材料としての利用が期待される。しかし、構造材料として応用を考えた場合、脆さの改善が課題である。これまで、磁場を用いて結晶方位の揃ったNb4AlC3焼結体を作製することで脆さを改善した研究が報告されている。本研究では、Ti3AlC2の板状粒子を作製し、加圧焼結することで高純度の結晶配向Ti3AlC2焼結体の作製を試みた。