抄録
これまでに、HIP法を用いて、負の熱膨張を示すβ-ユークリフ゜タイトと正の熱膨張係数をもつソーダ石灰ガラスとの複合化を、低温下で両者の反応を防いで行うことを試みた。その結果、比較的小さな熱膨張係数(約1.0×10-6/℃)を示す複合材料が得られた。しかし、相対密度はいずれも80%未満と低く、450から550℃の低温でHIPしたにもかかわらず、β-ユークリフ゜タイトは一部原料ガラスと反応し、50 mass%(仕込み)の場合ではほとんど反応していた。そこで本研究では、ガラスとの反応を考慮に入れて、仕込み時のβ-ユークリフ゜タイト含有量を75、90 mass%とし、さらにHIP温度を上げて700℃とし、緻密な低熱膨張材料の作製を試みた。さらに、常圧焼結した場合と比較検討した。