抄録
鉄をベースとした新磁性材料の開発のため、大気圧CVDでナノ構造を制御する方法を検討した。鉄は、もっとも基本的な磁性材料の一つであり、そのナノ構造制御は新しい永久磁石の合成やスピントロニクス素子の探索に有意義である。触媒ナノ粒子を用いた大気圧CVD法で、Ar:H2気流を流した管状炉を用い、金のナノ粒子を散布した基板を原料であるFeCl2またはFeの下流に置いて全体を加熱することにより形成される構造を調べた。
加熱温度900℃以下では鉄の微粒子や薄膜しか得られず、金ナノ粒子の効果は見られなかった。しかし、温度を金と鉄が固溶する1050℃まで上昇させると、金ナノ粒子の効果とみられる様々なナノ構造が観察された。生成メカニズムと大量合成法を議論する。