抄録
アモルファス固体においてラマンスペクトルの低波数領域にはボソンピークと呼ばれるブロードなバンドが存在する。ボソンピークのピーク波数は剛性率と関連付けられる事が報告されている。しかしながらシリケートガラスにおいて実際にピーク波数と剛性率を比較した研究は少なく、特に二元系アルカリケイ酸塩であるLi2O-SiO2系ガラスにおいてはボソンピークの詳細な報告はない。そこで本研究では、各種Li2O-SiO2系ガラスを作製し、低波数ラマン散乱測定を行うことでボソンピークの組成依存性を調査した。さらにM2O-SiO2系アルカリケイ酸塩ガラス(M: Li, Na, K)に関してピーク波数と剛性率との関連を考察した。