抄録
本研究は,生体親和性に優れ生体内で骨と早期に結合するディオプサイドを合成し,焼成時の温度を調節することで材料特性が変化するか検討した.ゾル-ゲル法でディオプサイドを合成し,仮焼き温度300℃,400℃,500℃,600℃,仮焼きなしの5種類を作製し,本焼成は700℃で行った.仮焼き時間は30分,本焼成時間は1時間である.結果,仮焼き温度が高温になるとディオプサイドの結晶性が良好になり,仮焼き温度500℃で焼成したディオプサイドが最も高い比表面積値を示した.また,作製に要する活性化エネルギーを算出した結果,仮焼き温度600℃のものは仮焼きなしと比べて188.8%となり,結晶化に必要なエネルギーが大きくなることが分かった.