抄録
本研究では、NiTiの形状記憶効果が体温以下で発現するステントを開発するため、レーザー加工されたNiTiベアステントの拡張及び形状記憶熱処理の最適条件(熱処理温度、一回当たりの熱処理時間、拡張方法)を求めた。NiTi製ステントを一定温度に保持した管状電気炉内に入れ、窒素ガスを流しながら所定時間置き、精製水による急冷を行い、5段階拡張及び形状記憶熱処理を行った。DSCによる相変態温度の測定により、応力下で形状記憶熱処理を行うと、応力のない場合に比べて相変態温度が高温側に変化することがわかった。さらに熱処理温度、時間を変えることで、5段階拡張の時、窒素ガスを流した形状記憶熱処理によって、NiTiベアステントの相変態温度を最適化することができた。