抄録
グリコールとシリコンアルコキシドから調整可能なグリコキシドシラン(GMS)は水溶性のケイ素化合物である。GMSは1つのシリコンに対してグリコールが単座配位した構造となっていると考えられる。しかし、GMSの正確な構造に関する知見は乏しい。また、GMSは水溶液中で序々に加水分解するため安定性に問題点があるといえる。本研究では、GMSの構造解析と水溶液中で安定な新規水溶性ケイ素錯体の開発を試みた。29Si NMRの結果からGMSは原料であるTEOSとPGの1~4置換体の混合物であり、わずかに重合していることが明らかとなった。新規水溶性ケイ素錯体の開発の詳細については当日報告する。