抄録
層状リン酸ジルコニウムや有機ホスホン酸ジルコニウムは、Zr-F錯体をリン酸存在下加熱によってFを揮発させる直接沈殿法で合成されているが、長時間の合成が必要、単一相の合成が困難という問題点がある。
LPD(liquid-phase deposition)法は、陰イオンソースH2OがO2-、OH-を供給する反応と、F-を捕捉するB(OH)3との平衡反応により、金属-F錯体から金属酸化物を得る手法である。有機ホスホン酸も有機ホスホン酸陰イオン[RP(O)O2]2-ソースとして働くと期待できるため、本研究ではエチルホスホン酸ジルコニウムの合成を行った。
XRDより回折線は、a=0.900(9)nm、b=0.529(2)nm、c=2.09(2)nm、β=101.3(9)°の単斜晶で帰属できた。また、固体31P MAS NMRよりエチルホスホン酸基のP由来と思われる一本のシグナルを観測できた。以上よりエチルホスホン酸ジルコニウム単一相の合成が確認できた。