抄録
プラズマ気流制御により、小さな流速で空気の流れ全体を制御することが可能となる。風車を模擬した翼の表面でプラズマを発生させることで、空気の流れが改善し剥離が抑制されることが近年確認された。プラズマ誘起流の発生方法は、誘電体を挟むように電極を対向して配置し、電極に交流電力を加えることでバリア放電が発生するとともに、誘電体表面にプラズマ誘起流が発生する。誘電体を電極で挟み込む簡単な構成で、空気の流れを制御し大きく風車の出力を向上させる可能性があることが最近の検討で明らかになってきた。一方、プラズマ発生装置の構成部材には、屋外使用による耐環境性、放電にさらされるために耐放電性、さらに風による翼の変形に耐える変位許容性が要求される。特に誘電体は上記すべてに最も晒されることから厳しい耐久性が要求される。シリカ添加のシリコーンを誘電体に用いることで、優れた耐放電性や耐侯性を示すことがわかったため報告する。