抄録
機械振動や人間の動作など身の回りに存在する様々な振動からエネルギーを取り出し電気エネルギーに変換する振動発電素子が近年注目を集めている。圧電方式の振動発電では、小さな比誘電率と大きな圧電定数を持つ圧電体を用いることで変換効率の向上が図れることから、本研究では、そのような特性を持つと期待できる圧電体としてBiFeO3に着目し、薄膜試料の作製と正圧電特性の評価を行った。その結果、菱面体晶の結晶系を持ち成長方位が(100)のBiFeO3薄膜において-3.5C/m2の有効横圧電定数(e31,f)および11.3GPaの振動発電性能指数を得ることができた。