抄録
平均細孔径が30 nm以下のシリカ/エポキシハイブリッド多孔体を作製し,その細孔壁をシランカップリング剤で処理することで,多孔体の細孔壁の表面特性とガス透過率およびガス分離能の関係を評価した.得られた多孔体をXPSで表面分析した結果,細孔壁は目的の官能基を有すると確認された.CO2とN2のガス透過係数を測定したところ,いずれのシランカップリング剤で処理された多孔体も約10-11 m・mol・m-2・s-1・Pa-1オーダーであった.また,(CO2ガス透過係数)/(N2ガス透過係数)で計算される選択率αを求めたところ,シランカップリング剤未処理のサンプル,CaOSiOC2H5,(OHCH2)2OC3H6SiOC2H5で処理したサンプルのαは約0.8だった.一方,NH2C3H6Si(OC2H5)3で処理したサンプルの選択率αは最大で約3.0だった.