抄録
近年、地球温暖化等の環境対策の一つとして廃熱を電力に変換する熱電発電が注目されている。その熱電発電を可能にする熱電材料には、高温大気中において安定で、安価かつ無害な酸化物材料が注目されている。酸化物材料である(ZnO)5In2O3は、層状構造に起因する低熱伝導な性質を有し、InO2-層、(InZn5)O6+層は高導電性である為、高温大気中で使用可能な高性能熱電材料として期待できる。また、より熱電性能の高い(ZnO)5In2O3を得る為には、ドーピングや結晶配向の最適化が必要である事は既往の研究によりなされている。そこで本研究では、(ZnO)5In2O3の合成にAl-doped ZnOを原料として用いる事で高い出力因子を有する(Zn1-xAlxO)5In2O3の合成とマイクロ波加熱を用い、低温・短時間で板状粒子からなる焼結体を作製する事で熱電特性向上を期待した。