抄録
YAG/β-SiAlONセラミックスを用い、高張力鋼板と接触下での高温反応実験を行った。ただし、転がり摺動は圧縮とすべり成分で構成されることから、高温下での圧縮およびせん断応力条件下での実験を対象とした。実験に用いたYAG/β-SiAlON複合体は、YAG量が5および50wt%とし、β-SiAlONにはSi5AlON7とした。これを900℃にて圧縮応力場およびせん断応力場での接触試験を行った。特に、YAG量が5wt%のYAG/β-SiAlON複合体の摩耗率は4.2×10-10 mm2/Nと極めて低い値を示すことも見いだされた。SEM観察およびXRDによる構成相の同定の結果、いずれの接触面において特に反応相は確認されなかった。